隠岐の島西郷港エリアはかつて北前船が日本海を往来していた頃、「風待港」とも呼ばれた水運交通の要衝で、「待つ」ことに長く親しんできました。かつて船乗りは「待つ」傍らまちで遊び、くつろぎ、英気を養う、出港を待つ客は船旅への期待と不安や別れに思いを巡らせ港の風景や台地を眺めたでしょう。その名残はまちなかの商店や神社あるいは記念碑から伺い知ることができます。
また利便性や効率がこれまで重要視されてきた現代において、少し立ち止まって考えを巡らせる時間、すなわち「待つ」ことは日常に余白を生むということとも言えます。これらを手がかりにしながら、住環境、ターミナル機能、商業機能を整え、人々がそれぞれの過ごし方を見つけ地域の魅力を自らが発見し享受することができるような余白のある街を実現します。